政宗九の視点Blog

ミステリなどの本について、またAKB48(というか主にHKT48)について書いていく予定です

2013年にパブリック・ドメインになった作家について(青空文庫より)

著作権者が発表した作品は、作者の没後五十年後に著作権が切れ、誰でも自由に使えるようになる(パブリック・ドメイン)。
青空文庫」は、著作権フリー作品の図書館のような存在であるが、正月になると毎年、その年にパブリック・ドメインとなった作家の作品の公開をスタートさせる。と同時に、パブリック・ドメインについての青空文庫の見解が表明されている。

青空文庫/そらもよう

http://www.aozora.gr.jp/soramoyou/soramoyouindex.html

今年パブリック・ドメインになった作家には、大物が多い。なんといっても吉川英治がすごい。『三国志』がフリーで読めるのもそう遠くないだろう(現在校正中とのこと)。吉川英治については、まず『私本太平記』から公開が始まっている。ほかにも、柳田国男(いきなり『遠野物語』が公開された)、室生犀星正宗白鳥など、錚々たるメンバーだ。
ミステリマニア的には、妹尾アキ夫の存在が大きい。「凍るアラベスク」から公開されている。オリジナルの探偵小説は多くないが、妹尾アキ夫の場合は翻訳もあるので、こちらにも期待大だ。青空文庫の「作業中の作品」リストを見ると、オースチン・フリーマンのソーンダイク博士シリーズが一挙に上がっている。ただクリスティーやクイーンなどは原作者側の著作権が残っているはずなので、ザングウィル『ビッグ・ボウの殺人』やメイスン『矢の家』などが公開候補になるだろうか。いずれにしても楽しみである。

妹尾アキ夫探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

妹尾アキ夫探偵小説選 (論創ミステリ叢書)