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政宗九の視点Blog

ミステリなどの本について、またAKB48(というか主にHKT48)について書いていく予定です

一冊の本が政治を動かした!ドイツ社会に激震を走らせたシーラッハ『コリーニ事件』がすごい

フェルディナント・フォン・シーラッハの新邦訳小説『コリーニ事件』を読みました。すごい傑作でした。

コリーニ事件

コリーニ事件

シーラッハといえば、一般人が犯罪に走る瞬間を描いた作品などが素晴らしかった短編集『犯罪』『罪悪』の作者です。ドイツでは超人気作家とのこと。そのシーラッハが初めて書いた長篇小説が『コリーニ事件』です。

イタリア人のコリーニが、ドイツの実業家を無惨な方法で殺すという強烈な場面から始まる小説は、様々なドラマを含みながら、法廷闘争へ。やがて明らかになっていく犯人と被害者の驚愕の過去! ドイツならではの歴史的背景と、この国が持つ矛盾点・問題点を、小説の形を借りながら、実に鋭く指摘していくのです。

そしてすごいのは、この小説がきっかけとなって、ある法律の再検討が始まったという事実です。一冊の小説が法律を、政治を動かしたなんて話はほとんどないでしょう。シーラッハ恐るべし、です。

実は私は本書をしばらく積読にしていたのですが、とあるきっかけで、これはやはり読まねば、と思ったのでした。それはTBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ」内の「メキキの聞き耳」というコーナー(ポッドキャスト配信もされています)。ここでライターの豊崎由美さんが本書を大絶賛されていたのを聴いたのでした。これを聴くと、誰もが読みたくなるに違いありません。個人的にも、こんな本の紹介をしてみたいものだなあ、と思っております。


豊崎由美 コリーニ事件 - YouTube

 

なお、シーラッハの既刊『犯罪』『罪悪』も、併せてお薦めいたします。

犯罪

犯罪

罪悪

罪悪