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政宗九の視点Blog

ミステリなどの本について、またAKB48(というか主にHKT48)について書いていく予定です

人間には「マップラバー」と「マップヘイター」の二種類がいる――福岡伸一『福岡ハカセの本棚』

福岡伸一『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー新書)は一見、よくあるタイプの読書ガイド本ですが、最近では一番面白く読めたガイド本でした。

これはジュンク堂書店池袋店で行われた有名な企画、特定の作家がセレクトした本を集めて展開する「作家書店」のひとつ、福岡先生の「動的書房」でセレクトされた本から、さらに厳選された本を紹介した本です。巻末には本書で採り上げられなかった本も含めた「動的書房」全リストもあります。

このガイドは、本をただ並べて箇条書きにしたものではなく、大きな話の流れの中に本を織り込むスタイルで書かれていて、まさに流れるように読んでいるうちに本の情報も頭に入ってくるのです。これが実に心地良いのですね。こういうブックガイドを私も書いてみたいと思ったくらいです。福岡先生の趣味・嗜好、影響を受けた本や作家も分かるようになっています。

このブログのタイトルに書いた「マップラバー」と「マップヘイター」というのは、本書の「はじめに」に書かれていることです。人間には、地図をこよなく愛し、目的地に向かうときに必ずそれを頼りにするマップラバーと、最初から最後までそんなものを必要とせず、自分の勘と嗅覚で目指す場所にたどり着けるマップヘイターの二つのタイプがいる、というのです。私はもう典型的なマップラバーですね。絶対地図を確認します。

福岡先生もマップラバーだったそうですが、そこからマップヘイターへ転身したのだ、という大きなストーリーも実は本書に隠されているのです。

「読むべき本とは、野山をひらひらと舞う蝶のようにいつも「動いている本」です。その本を書いた人の切実な思い、気づきの感動、言葉を探すことの苦しみと喜び。そんな動的なものに満ちた本は、人をも動かすに違いありません。揺れながら、光を反射しつつ、くるくると回転し続ける、生きた本。自分の人生を振り返りながら、私はここにそんな本だけを集めてみたのです」(P216~217「おわりに」より)